レッスン疑問解決!

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レッスン疑問解決!

生徒さんの疑問にはやはり、奏法のことに関する質問が一番多く、
次にアドリブに関して、表現に関して、音楽理論の順です。
ここではお悩みを一挙解決!!

それではまずはじめに


奏法に対する疑問解決を行っていきます。


●アンブシュアの違い
ジャズのアンブシュアとクラシックのアンブシュアはまるで違います。
ジャズのアンブシュアはクラシック以外の音楽に用います。
ジャズのアンブシュアは極力力を入れないアンブシュアです。
一方クラシックのアンブシュアは唇をクッションがわりにし、マウスピースを絞るような感じ
で奏すことになります。
そうすることでサイン波のような倍音を減らすことで美しい音を出しますが、
どちらも概念の違う美しい音です。
クラシックの場合はクッションをつけるために口周りの筋力をつける必要があります。
そのためには半年以上の時間を要します。

●ヴィブラート(ビブラート)をはじめる時期について
個人的な考えでは、楽器をはじめてから、一年以内はヴィブラートをさせない方向で
指導をしています。
はやい人では半年ぐらいで、アンブシュアが安定してきますので、
そこのところの上達度を見極めながら、ヴィブラートをやって良いかどうかを、
判断しています。
ピッチが安定していない生徒さんにヴィブラートをやらせてしまうと、
根底となるピッチがわからないために、何の音かわからなくなってしまいます。
そうならないために、まずは音作りをして、正確なピッチコントロールを
無理なくできるというのが前提になります。
そうなるためには、ロングトーン、スケール、曲練習でフレージングの基礎を
修得するのが、早道です。

●ビブラートのかけ方
スタイルや人により千差万別ですが、高音域で、エネルギーが入るほどヴィブラートは速くなります。
そのエネルギーが解放されるとヴィブラートは遅く奏します。
どこもかしこも同じ回数のヴィブラートでは芸がなく、表現力に乏しいと言えるでしょう。
(サンボーンだけは例外ですが、リズムに合わせてヴィブラートをかけますが
各所でヴィブラートの速さが変化しています。)
かけすぎも良くなく、かけなさすぎも良くありません。
一昔前ではマルセルミュールのようにどこもかしこもヴィブラートをつけていましたが、
現在は明確に定められています。一番厳格なのがフランス式のヴィブラートでどういう音に付けるか
まで決まっています。ジャズではそこまで厳密な決まりはありませんが、
速いビブラートは最近はあまり用いられません。速いヴィブラートが流行ったのは、マイケルブレッカーの
ファンキーな奏法までで、それ以降あたりからはジャズ奏者はかなり遅いヴィブラートを用いています。
ただし、だからと言って速いヴィブラートを用いてはいけないということでもありません。
個人の方向性で決めていいのです。ただし、奏法のやり方としては若干古いタイプになりつつあります。

●ヴィブラートの上下
今まではアウアウとやってきましたが、フランスのクラシカルな奏者の影響により
ウアウアに変わりつつあります。理由は上からサイン波のようにヴィブラートをかけた方が
繊細に聴こえ、ぶら下がった感覚が減るからです。
例えばフルートのように腹筋でヴィブラートする時は息が入るところから
ヴィブラートが始まるわけですからウアウアとかけることと同じ効果が出て、物理的にも
理にかなっているわけです。ウアウアをオススメします。

●ヴィブラートのいろいろ
ヴィブラートは顎を動かしてかける方法が一般的ですが、
腹筋を使ってフフフフとフルートのように
かける方法やのどで同じようにやる方法などがあります。
口腔内を動かす方法はサックスの場合ピッチが変化するので用いません。
フランスのクラシカルなやり方では顎と腹筋と両方を使ってやるタイプの人が多いようです。

●オーヴァートーンはなんのためにやる?
オーヴァートーンは音の響きを増し、さらに良い音にするためにやります。
ピッチも音色もオーヴァートーンの音に近づけていきます。
通常の音の方がピッチが下がりやすくなりますので、
マッチング練習でどちらの音も同じようになるようにしていきます。
ピッチは喉を上げることで矯正していきます。噛んでピッチを上げないように注意しましょう。

●オーヴァートーンで口の中の形を変えるとは?
軟口蓋を動かしたり、舌の位置を変えたり、舌根を上下させたりして、息の流れを変えてあげます。
すると息のスピード自体が変化し、オーヴァートーンが出ます。
オーヴァートーン時には口に頼らずに口の中や喉を動かしてやります。
喉仏は動かす必要はありません。オペラ歌手もそうですが、喉仏は下げたままで歌います。
管楽器も同じで喉仏を上げると音が細くなるので上げないようにしましょう。

●オルタネートフィンガリングを出しやすくするには
オーヴァートーンの練習とマッチング練習を続けると出しやすくなってきます。
オルタネートフィンガリングを使わなくとも各々の倍音でも出せますので、
そこまでできるようになれば中級レベルです。

●ヘッドトーンとは
頭声のことです。頭に音を響かせて音を遠くに飛ばします。
実際には鼻腔を広げて響かせるようにします。
眉間を指で上げるとわさびでツーンとくるような感覚になります。
その感覚が鼻腔が開いているサインです。
その状態で音を出すことで響かせることができるのです。

●タンギングは舌の先端ではやらない
通常は舌の先端から少し奥の方(1cm程度奥)でタンギングするのが一般常識です。
舌が長い人は舌を下唇につけたままタンギングをします。
日本人の舌はそこまで長くないため、舌の先端をつける位置までは意識する必要は
ありません。レッスン内でタンギングについて指導する場合は、生徒さんの舌の長さは
確認してから指導しています。

●音を響かせるために喉を開く
ある程度までは広げていいのですが、広げすぎるとピッチが下がり始めます。
ピッチが下がる直前くらいまでで喉を広げるのはやめておきましょう。
喉を広げてさらに響きを加えるには、軟口蓋を上げると喉の響きが増します。

●練習しているのですが上手くなりません
多くの人は間違いを何回も練習してしまっているのが原因です。
同じ間違いを何回も演奏してしまうことはそれが体に染み込んでしまうのです。
それは避けたいですよね。わかっているようで指摘するまで気づかない人は多いものです。
遅く吹けないものは早く吹けない(=力んでしまう)ので、ゆっくり練習して成功体験を
重ねていくのが良い練習になります。
初めの練習から、間違えないように練習することが早く上達する秘訣です。

●息が長く続かない
色々要因がありますが、セッティングが悪い、息を吸っていない、息を使い過ぎている
などの要因があります。
セッティングが悪い場合は空きが広すぎるマッピに硬いリードはセッティングが悪い例。
息を吸っていないのは本人は吸っているつもりでも実際はあまり吸えていない例。
息を使い過ぎている場合は、息の量を入れ過ぎていてすぐ息が切れる例があります。
初めは息をケチって少しづつ出して、その息でどれだけ空間を響かせることができるかに
焦点を持っていきながら練習していきます。パスカルの原理で、息のスピードと息の量は
違います。息のスピードが遅いとそのぶんを息の量で補うため、息がすぐに終わります。
そうならないように息のスピードを上げて息の量を減らす工夫が必要となります。

●ロングトーンとは
音を長く伸ばすのですが、意識的に練習しないとただの時間の無駄になります。
身体をリラックスさせる目的や、音の響きや音色を作る、メロディを奏すための基本を整える、音を出しやすくする、ダイナミクスをつけれるようにするためなど多様な練習に用います。
義務教育の部活でやっているのは規律のためにやっている場合が多く、本来の目的とは違うものになっている場合があるので、音楽的にロングトーンを用いることが必要になります。

●クラシックの基本マウスピース
王道はセルマーの旧式のワンスターがトップですが、バンドレンのA27あたりも基本マウスピースです。
バンドレンのマウスピースは噛み癖がついているとうまく音が出なかったりと鳴ってくれませんので、
初級者が噛み癖を直すためにも良いマウスピースです。
フランスのクラシックの奏者はバンドレンを使用している人が多いです。
セルマーはギンギンに噛んでいても鳴ってしまうので、どんどんと癖がついても気がつかなかったりします。
そのおかげで、リードを硬くして補おうとしまうと間違った方向に行ってしまいます。

セルマーとバンドレン二つ持っていても損しません。バンドレンはかなり安価です。
また、バンドレンはメイヤーの吹奏感に似ていて、ジャズを始めたい人がメイヤーに移行するときに、
バンドレンを使用してからメイヤーに移行すると癖がつきにくいです。
最近では、セルマーもバンドレンもマウスピースに改良モデルが発売され、奏者の中でも
クロスオーバーが起きていてとても良い傾向になっています。

●初級者はマウスピースだけで練習する必要はない
昔の教本には当然のごとくマッピだけで練習するように掲載されていますが、
サクソフォンとクラリネットなどの、1枚リード利用のマウスピースだけでは
基音となる音が出せません。なぜなら、
マウスピースだけではマウスピースが出そうとしている基本的な音高のための管体の長さが
足りないからです。ですので、マウスピースだけではいろんなピッチの音が出るけど、
ネックまでつけるとあまりピッチが変わらなくなることに気づくはずです。
要するにマウスピースだけでは、どのピッチでも音が出せてしまうので、
基本的なアンブシュアを習得するには不向きということになります。
そこでネックをつけて、基本的なピッチのロングトーンをするように練習するわけです。
マウスピースだけだとちょっと音が出るまで引っかかりがあります。
それは口を変えて吹いているということにもなるので、ネックまでつけると、
その引っかかりはなくなり、さらに楽に音が出せます。これが重要です!
上級者になるとマウスピースだけでドレミファソラシドと吹けるようになります。
オーヴァートーン練習の延長上にあります。
ですがこれは基本的なアンブシュアがわかっていることが前提です。

では、実際に正しいアンブシュアで演奏しているようにマッピだけで吹くとどういう音が出るでしょうか?
正解はキャーとリードミスだけ出ます。
オーボエ奏者がリードを作る時やリードを試し吹きするときに、ギャーギャーという音が出ます。
要するに重音になっていろんな音が一度に出ている状態です。それで、少し口を変えると
リードで単音が出ます。これにサックスも似ていて、普通はリードミスしか出ずに、
少し口を変えるといろんな音が出る状態になります。要するにマッピだけで音を出すのに
我々は慣れてしまっているので、無意識に音を出せる状態になってしまっているのです。
ですので、楽器がはじめての人にマッピだけで音を出させると、リードミスが出たりします。
ですが、奏法的にはそっちの方が正解なのかもしれませんよ!しかし、悪い先輩のおかげで(笑)
無理やり音を出させようとしてしまっているという状態を練習させているということも
実際は考えられるのです。
あー怖い怖いw
よって、時代遅れの練習を始めての人にさせないためには、
ネックまでつけて練習させることの方が理にかなっています。

●基音とは
アコースティックルートと呼んでいます。楽音には倍音が含まれているのが通常です。
今出している楽音の一番低い部分を言います。
根音=ルートはコードトーンの第1音のことでそれとは違うので混合しないようにしましょう。

●くわえる深さ
マウスピースをくわえる深さは1cm程度が適切です。(歯をマッピに置く位置)
はじめからプレイヤーの真似をして深くくわえると、噛みぐせをつけてしまいます。
ですので、癖を抜くために結構浅くくわえ、少しずつ、くわえを深くしていき、アンブシュアの筋肉を鍛えながら、深くくわえても噛まないようにもっていかないと意味がありません。

●ジャズは顎を極度に引く
一時期日本で流行りましたが、かなり顎を引いて、
下を向いて演奏するような姿勢が流行りましたが、顎関節症になる恐れもあり、
音が良くなる根拠に乏しく、今では誰もやっていません。
アメリカでも誰もやっていません。
医療と同じで、例えばぎっくり腰のように、昔は安静にしていることが
当然でしたが、今では少し回復してくると、適度に運動する方が良い
というのがわかってきているように、
奏法も進歩しますので、頑に方法論に固執せずに、新しいものを取り入れ、
より良い方に変えていく見方というのが必要になります。
現在はまっすぐ前を向き、その姿勢に楽器の位置を合わせるというのが
基本です。

●ファットリップがよい
これも以前流行りましたが、日本人以外ほぼ
誰もやっていません。
ファットリップとは唇を巻かずに唇だけでアンブシュアを支える奏法です。
(ダブルリップとは少し違います。)
ファットリップは口に無理が来て、
癖を付ける恐れがあり、お勧めしません。最近の奏法は脱力が基本です。
(まあ、口に筋肉はつくかもねw)

●ファットリップとシンリップを使い分けますか?
上記していますが、現代はファットリップを使用している奏者は稀です。
古い奏法になりつつあります。アメリカでも滅多にいません。
見た目がアメリカ人奏者のように見えるので流行りましたが、黒人の方は唇の作り自体が
かなり違います。見た目優先で同じことをやらないように注意しましょう。
ほとんどの奏者はシンリップを使用していますので、未だファットリップにしている場合は
シンリップに戻しましょう。全てをシンリップで統一するようにします。
海外の一流のプロ奏者に習う場合もファットリップは直すように言われますので
それに従ってください。
理由としては、タンギングや音が発生するまでの反応がファットリップでは確実に鈍くなり、
コントロールがやりにくいことが理由です。
ファットリップにこだわるよりも、自分に一番良い奏法を身に付けることが肝心です。
独学でプロになったような奏者がファットリップを勧めている場合があるようですので、
試す程度なら良いのですが、人に教えるような奏法ではないので気をつけましょう。
ちゃんと技術を人から学んだプレイヤーに学んで正しい技術を身に付けるようにしてください。


●下唇に歯形がつく
プロフェッショナルでも歯形がつく奏者がいらっしゃいますが、
歯形がつくかはアンブシュアのトレーニングをどれだけ積んだかによります。
現代の常識として唇の裏には歯形はつかない奏法を体得しましょう。
もちろん歯形が付く人でもすごく上手い人はいますが、
その方も歯形がつかないようにアンブシュアをトレーニングすると
さらに良い音になると思われます。
また噛む癖が強すぎると唇の神経を傷つけ、唇に痺れが残る原因となりますので、
注意してください。体に悪い奏法はしないことが原則です。
またクラシック界の一部の流派では、
かなりアンブシュアを横に引き、噛む傾向にありますが、
それをやっているのはその一派だけで、その子弟以外、
他の国ではアメリカもフランスもどこもやっていません。
以前の日本の義務教育の吹奏楽部の現場ではこの手法が未だに活きていますが、
相当古い手法なので、そろそろ変わって欲しいと願うばかりです。
クラシックでは中心に寄せるアンブシュアで唇のクッションをつけることで、
噛む癖が改善されます。ジャズではもっと口を開けたまま奏します。
ダニエルデファイエ氏は究極に噛まないアンブシュアの持ち主でした。

●リードは厚い方が良い
これも間違いで、初級者がやると、噛まないと音が出ないので、
噛み癖がつくようになります。癖がつくと、唇に歯形が常につく状態となり、
悪循環で練習できる時間も減っていきます。
(ちなみに私は最低四時間は連続して演奏できます。)
最終的にマウスピースとの兼ね合いになりますが、
ほぼバンドレンスタンダード(青箱)2半
で、学生時期10年ぐらいは過ごして問題ありません。
昔の吹奏楽の風習で、学校に本当の奏法を教える人もいないので
固いリードを使うというのが、上達としてのステータスとして
残っている中学高校の吹奏楽団が今でも山ほどあり、
学校の固定概念にさらされているため、頑に変えようとしない人が
未だに見受けられますが、よくありません。
柔らかいリードでどれだけ良い音を出せるようになるかということが、
最も重要なことです。
確かに噛み癖がついている人にとってはリードは固い方が良い音が出ます。
リードが柔らかいと音が潰れてしまうからです。
そのようになっている人は噛む癖をとることからはじめなければなりませんので、
はじめからそのような癖を付けないようにアンブシュアを噛まない先生に
習うことが必要です。吉田サックス教室では、
完璧に脱力の出来るアンブシュアが体得可能です。

●リードの厚さ2010年代辺りまではリードを厚くする傾向にありましたが、
最近はジャズ奏者も薄いリードを使うようになってきています。
マウスピースの精度が上がって、薄いリードでも良い音が出る
マウスピースも増えていることにも一因があると思われます。

●アンブシュアはシワが寄らないように横に引く
これも音大一派の奏法のようなものでかなり古く、
現代でやっている人はあまりいないと思ってください。
ジャズでは特にいません。
現代の主流は完全な脱力型のアンブシュアか、
中心に寄せるクッション型のアンブシュアです。
クッション型はシワはかなり寄ります。シワができてもOKに
なってきています。

●腹式と逆式腹式を混合しないで!
腹式呼吸は息を吐く時にお腹を引っ込め、息を吸う時に、意識的に
お腹を膨らませながら息を吸うことで、腹式呼吸が容易となります。
逆に、息を吐く時にお腹を出っ張らせ、息を吸う時にお腹を引っ込める
やり方も存在し、それは逆式腹式呼吸法と一般的に呼んでいます。
たまに、奏者の中で混合して生徒さんに教えているプロがいるようですので、
注意してください。吉田サックス教室では正しい奏法と知識を伝授します。

●ダブルリップは必要?
人によっては必要です。まず噛み癖がある人にはそれを改善する意味で有効です。
私もダブルリップによって完全に噛み癖から解放されました。
有効なのはソプラノでダブルリップをやります。それでどれだけでも
吹けるようになれば本物です。
同じようなことをマイケルブレッカー氏も言っています。
そのほかは、ダブルリップをしているスタイルを目指している方はやったほうがいいでしょう。
スタンゲッツなどはその代表ですが、彼の音色はダブルリップでしか体得できません。
モゴモゴした感じはダブルリップがあるからこそです。

●クラとサックスは同じアンブシュアでいいですか?
ダメですw、クラの方がサックスより硬いアンブシュアになります。
噛むというよりは固めてサポートするといったイメージです。
ジャズではサックス奏者はクラとフルートは必修です。
プロになる人は早めに手にした方がいいと思います。

●タンギングってなんのためにやるの?
シラブル=発音するということです
アイウエオと言いたいのか、タチツテトと言いたいのか。
ニュアンスや意味が変わりますよね。

●アンブシュアの口の中は
オとウの間あたりの形が良いとされています。
ジャズではニュアンスを変えるために
口の形を変えるのはアリです。クラシックではNG
パリ音ではYUの形にするようです。
口先がYUの形になります。
クラシックのクラリネットのアンブシュアもYUの場合があるようです。
ジャズでもYUで大丈夫です。
YUの形にすることで音の密度を高め中心に集めることが可能です。

●音が揺れないようにするには
大抵は口が揺れているので、揺れるような位置のアンブシュアにしているからです。
体って、姿勢が悪いと揺れ始めますよね。それと同じような状況です。
マウスピースをくわえ過ぎないようにし、
もう少し、アンブシュアにクッションをつけるか、緩めるかで改善できますが、
それでもなおらない場合は姿勢が悪い、楽器の持ち方が悪い、貧乏ゆすりをしている、、、
など他の原因もありますので、当教室にご連絡ください。

●オクターブ下がる音がうまくいかない
口が動くとポルタメントやベンドがかかったようになってしまいます。
完全に口や喉、アンブシュアを動かさないで、指だけ動かすとうまくいきます。
または音が下がる半拍前にオクターブキーを離して補助するやり方もあります。
ジャズのアンブシュアは動かすのが基本ですので、なかなかやりづらいですが、
オクターブ下がる音の時だけでも口を動かさないようにやると良いと思われます。
上級者になれば、息の流れを喉で変えることでオクターブ下げることは容易になりますが、ある程度練習が必要です。

●ジャズタンギングとは
ウダウダと裏打ちしてフレーズを吹くことです。
これが基本となります。
クラシック専門の音大に行っても習うことはありません。

●ジャズタンギングのルール
奏者により色々ありますが、
1、はじめの音はタンギング
2、1のすぐ後に始まる裏拍の音にタンギングするようにします。
四分音符が入る場合は、上記のカウントをその都度リセットして
タンギングし始める形になります。

●サクソフォンっていうの?
たまにサキソフォンとかっこよくいう方がいらっしゃいますが、
世界的の言語の発音からみても、サクソフォンと言っている国が大多数で、
残念ながらサクソフォンと発音するのが正解になります。
クソという発音が単純に嫌なんだと思います。日本人は(笑)
サクソフォンが正式名称です。クを小さく発音すると違和感がありませんw

●アドルフサックスって
ベルギーの楽器職人で初のサクソフォン講師です。
アントワーヌ・ジョセフ・サックスとか言ったりしますね。
ベルギー紙幣にもなっています。
バスクラもサックスさんが開発しました。
サクソルン属なる金管属もサックスが発明し、
物凄い才能でありパイオニアです。
無論、他にもサックスと競って開発していた職人さんもいます。
サックスが作った楽器は今は美術館や博物館にあります。パリやNYのメトロポリタン美術館にもあり、ワンサイズ小さい作りです。例えばテナーサックスはアルトサックスくらいの大きさです。
マルセルミュールに指導したのもアドルフサックスで、
アドルフサックス→マルセルミュール→ダニエルデファイエ→斎藤広樹→吉田祥一郎の順に師事の枝はつながっていますw

●楽譜と言わない
日本では吹奏楽部などに入ると楽譜と言わずに譜面と言います。なぜかはわかりません。
プロは譜面をひっくり返してメンフとか言ってます。

●楽譜にドレミと書かないと吹けない
初心者の方はずっと譜面にドレミと書かないと吹けませんが、書いているうちはずっとそのままです。ある日突然
書かなくて良くなる日は来ませんw
ですので、書かないで吹けるようにしないといけません。
私が中学1年生の時にやった方法は、ドの位置だけ全部覚えて、あとは数えているうちに考えなくても吹けるようにする方法です。最初は時間がかかりますが、それほどかからずにすぐ覚えました。

●運指が覚えられない。
私は初めからクロマティックで吹けるように練習しました。
そうすると運指表は必要なく演奏できるからです。
教則本に今日は新しい音を覚えましょう!とかやっている
教則本も多々ありますが、サックスは無駄だと思いますw
クラリネットは運指が色々ありすぎてそちらの方が親切ですが、サクソフォンは標準運指は決まっているので、
それを覚えればよいだけで、簡単です。
生徒さんもはじめの1ヶ月で全て覚えてしまいます。
覚えやすい方法があります。
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楽典に関して

●ジャズ理論って必要なの?
はい、必要です。全てのプレイヤーで、楽典の能力に乏しい方が、
プロフェッショナルで、
活躍していることは皆無です。アメリカに行くとなおさら顕著で、
理論に対する意識がかなり高いです。
どのような理論でもまず吸収して、咀嚼して、
自分の演奏に加えるという方向性が良いと思われます。
鼻から拒否するのではなく、
ひとまず学んでからどうするか考えるというのが自分のためになります。
プロフェッショナルになると独自の解釈を加えて発展させていきますので、
まずそのようになるまでは基礎能力ということになります。

アドリブについて

●アドリブの際コードやスケールは浮かんでいるのですか?
はい、いくつかの利用できるコードやスケール(アヴェイラブルノートスケール)、
そして、フレーズ等が浮かんでいて、
その中で取捨選択を絶えずしながら演奏している状態です。半分は無意識でできるようにトレーニングを積んでいます。
みなさんが日本語を何も考えずに話しているのと
同じです。練習で可能になります

●アドリブはどこから覚えるといいですか?
まずはメジャースケールを全調で把握できるようにならないと、
音程(インターバル)などの情報も入ってこないため、コードも
吹けるようになりません。
ですので、まずはメジャースケールをエニーキーで吹けるようになるところから始めます

●教会旋法って覚えるの?
はい、必要です。まずは簡単なものから覚えましょう。
CM7の時はイオニアンスケールとリディアンスケール、
Cm7はドリアンスケール、
C7はミクソリディアンスケールとスケールが始まる音を同じにしてみると
違いがわかってきますよ!
Cm7b5はロクリアンスケールです。ロクリアンスケールには
上級者には派生系も存在します。

●アドリブの一拍目はどうすれば良い?
基本的にコードトーンを出していろいろやります。
アプローチノートもその派生系ですから、
基本をやってから次に行ってください
ですので、コードトーンを吹けるというのが大切なのです。

●アドリブってコードが書いてないといけないの?
はい、書いてあったがやりやすいです。
知らない曲で譜面もなくいきなり吹けと言われても、
曲には部分転調などいろいろテクニックが網羅され作られてますので、
そういう曲だと結構何もできません。耳も限界があります。
アドリブには瞬発力も必要なため、
正確にアドリブさせるには最低コードは必要です。

●スタンダードは暗譜したほうがいいの?
基本的な曲は暗譜したほうがいいですが、
譜面を見てそれ以上のことができるなら見てもいいと思います。
結構人によりばらつきありますね。
最高のパフォーマンスができる方を自分なら選びます。
無理をしないことです。
お客さんにいい演奏を届けることが演奏家の使命ですから、
暗譜にこだわりすぎて、本番が雑になっては本末転倒ですね。

●スタンダード曲をエニーキーでやる
とてもいい練習になります。
アメリカではジャイアントステップスをエニーキーでやったり
ドナリーをエニーキーでやったりしています。
エニーキーでやる場合は覚え方が普通とはちょっと異なってきます。
頭の体操にもなります。
歌伴をやる人にとってもとてもいい練習です。

●アドリブフレーズって覚えたがいいの?
はい、英語学習と同じですので、覚えれば覚えるほどいいです。
一般的にヴォキャブラリーと言っています

●パターンは覚えたがいいの?
はい、全ては組み合わせ技になります。
フレーズ40パーセント、パターン30パーセント、その他30パーセント
と言った具合に組み合わせてアドリブは構築されていきます。

●難しい曲を覚えてひけらかしたい!
難しい曲を覚えても、普通の曲でそれが同じようにできなければ
意味がありません。
まずはルーツとなる基礎から順に体得したほうがはやく上手くなります。
まずは、ブルース、枯葉あたりからやりましょう。
そこで得た情報をジャズでは使いまわします。どれだけ上手く
使い回せるかを学んでください。

●新主流派って何?
まずアドリブの構築方法が違います。
バップフレーズのまま新主流派の曲をやっても
それはバップになってしまうのです。
そう考えると、クールジャズもバップとはまた異なるフレーズです。
全て違います。

●なぜクラシックでは銀メッキの楽器を使う人が少ないのですか?
音の伝導率が金の方がいいため多いですが、全くいないわけではありません。
有名な奏者が使うと流される人が続出したりしますw
銀メッキの方が金ラッカーよりは雑味成分が多く太く感じるところが
ジャズ向きと言われる所以ではありますが、使いたければ使ってください、ぜひ
もちろんソニックシルバーの方が伝導率はいいですね。
昔は色々なかったのでそういう意見がたくさんありました。

●メジャーとマイナーはフレーズは違うの?
はい、使い回せるものもありますが、結構限られます。
メジャーのフレーズはメジャーで、マイナーのフレーズは
マイナーで覚えた方がバリエーションが増えます。
逆にパターンは使い回せるようにしたがいいと思われます。

●音程の理解はなぜ必要?
音程の情報がないと、まずコードの違いがわからず、つまづくことになります。
音程情報があるから、コードの違いが理解できます。
スケールも同じです。半音の違いがすごい違いです。

●音程とは
2音間の距離のことです。正確には2音間の高さと日本の楽典ではいってますが、
要するに音と音の長さをいっているわけです。ピッチとは違いますので分けて考えます。

●音大受験はいつ頃から始めるといいですか?
一般的なご家庭の方で遅くて高校2年です。3年次では消化不良のまま進学
ということになってしまいますので、
基礎能力は身につけておくとスムーズに大学の授業に適応できるでしょう。
コンクール等の実績は入試に響きますので、高校時に一つや二つコンクールの受賞経歴を
身につけるぐらいの意気込みで目指しましょう。
もちろん高1年から開始する方が望ましいです。

●ハイトーンの音が割れてしまう
ジャズではいい傾向です。アンブシュアがリラックスできていると音が割れます。
ファズトーンの運指にする必要もなく音が割れるのはジャズでは良い傾向です。
逆に割れなくするのは、音の吹き込む方向を少し変えるか、唇のクッションを
少し全体的に強めるかで改善可能です。ピッチが全体によくなる方向で
揃えてください。
逆にクラシックでは音が割れるのはアンブシュアが緩すぎると言われると思います。

●先生の言うことが一人一人違う
師事した先生のルーツや方向性が違うと異なる場合があるので、
習っているときはその先生の言うことを一文一句逃さないぐらいの姿勢で参りましょう。
学びに対してある程度素直でないと、身につくものを逃して時間を無駄にしてしまうからです。
その人なりの意識の違いや、考え方の違いがあります。
そして生徒自身も成長していき、師事する先生を重ねていくと、独自の方向性が見出せます。
その時に師事した先生の本質が見えてくるのです。
たとえ、講師が間違って教えてたとしてもそれを一度やって見ることは無駄にはなりません。
私はできる限り間違いは教えたくはないですが、、、

●独学は悪いのか?
悪くはありませんが、独学で魅力を出すには、かなりの魅力と実力を持っていないと
難しい部分があります。
師事している人よりも正しい知識を持っていないと独学が良いとも言えませんし、
間違った方向や時代遅れの方向に行っている場合もあります。
例:ヴィブラートがやたら多いジャズサックス奏者など、、

●プロとアマの違いは
お金を稼ぐとかいろんな意見がありますが、忘れたくないのは
作法を知っているかどうかが一つ挙げられます。
それは演奏としての作法です。茶道などのように、お作法を学んでいる人と学んでいない人は
プロから見るとすぐわかってしまいます。
音の出し方には作法がありますので、それでプロかアマかはすぐに判断されます。
クラシックにもジャズにも各々作法がありますよね。

●うまいのと売れるのは違う
プロには売れている人と、うまいけど売れていない人に出会います。
レッスンプロには売れていないけど、なんでこんなにうまいんだ!と思う人がたまにいます。
私はそういう先生に出会うのが大好きです。
売れるのは興業的に成功しているに過ぎません。YOUTUBEで売れたとか、そういう人です。
本当に上手い人は結構奥ゆかしく、能ある鷹はみたいな人が多いので、
あまり表に出てこない仙人みたいな人ですw
うまくなりたければ売れているだけの人ではなくて、そういう先生を探すのをお勧めします。

●選定する人がいません
生徒さん以外でもご連絡いただければこちらで選定可能です。
お気軽にご連絡ください。
現在は選定費用無料で選定可能です。(選定会場までの交通費は頂戴します)

●アンサンブルをよりよくするためには?
ファーストの奏者よりも大きな音を出さないようにするのはどのアンサンブルでも基本です。
例えば、ソプラノサックスがファーストを吹いている時に、ソプラノの音が小さいからといって
ソプラノより大きな音を出してはいけません。それではアンサンブルになりません。アンサンブルをぶち壊さないように
気をつけましょう。もちろんコミュニケーションも必要です。
お互い思いやりも必要です。
お互いの音を聴いて、ハーモニーを共有する意識が必要になります。

●日本のビッグバンドは音が小さい
その傾向はあります。そのためにまとまってはいるが、
古い感じになりがちです。ですが、だからと言って
音の大きさだけ求めてもいけません。
能力の8割程度の音量でいきましょう。それでないと
音楽性にも余裕が出ません。

●楽典はやらないといけませんか?
はい、音大受験生は楽典の本は全て覚えてください。
自分は高校生の時に3ヶ月で全て覚えてしまいました。
覚えなくても音大でもまたやらされます。

●指揮者はどれくらい聴音できるの?
8声を一度に聴いて書き取れるぐらいの指揮者も
存在しますが、聞き取れなくても指揮者になれない訳では
ありません。
すごい人は春の祭典の声部を全部書き取れたり、
またそれを逆から書いたりできます。
ほとんどの人はそれほどの能力はありませんが、
絶対音感を持つ人は結構います。
しかし、絶対音感はジャズでは邪魔です。
相対音感が必要です。

●移動ドでやりますか?
自分の場合は固定ドも両方やります。
ジャズでは移動ド、クラシックは固定ドが主流です。
クラシックではまずコールユーブンゲン、次にダンノーゼルをやります。
ジャズではコードを鳴らして歌わせる方法が初歩です。
大抵は新曲視唱をやり始めて後に聴音をやるようになります。
作曲をやると聴音力もアップするのでおすすめです。

●何時間練習しますか?
時間が全てではないですが、時間量と上達度は比例しています。
学生の時は毎日8時間やると決めて練習していました。
プロになるにはそのくらいは必要です。しかも集中して。10年くらいやれば、先が見えてくるのではないでしょうか。初めの頃習ったゲイリーバーツ先生はサラリーマンが8時間仕事をするように練習をしなさい。とおっしゃっていました。
学生の時にしか8時間の練習は確保できないので、時間があるうちにやれることはやったがいいでしょう。
6時間ぐらいで結構体もきつくなってくるので、体のコンディションと相談しながらやりましょう。スポーツと同じで、トラブルが起こってからでは楽器自体をやめなくてはならない事態というのも起こってきます。
自分も若い頃は無茶をやっても平気でしたが、今は案外できません。
8時間練習すると、右手親指は青くなってきます。無理は禁物です。
最低プロになるには毎日4時間くらいは確保したいものです。
アマチュアの方は時間にとらわれずに楽しみの中で練習するのが良いと思います。

●サックス奏者最長練習時間記録は?
マイケルブレッカーの19時間、チャーリーパーカーの17時間です。
8時間の倍で16時間ですねw寝る以外は楽器を吹いていることになります。
体がおかしくなるのでお勧めできません。
精神的にも悪くなるかもしれません(笑)
自分も最長10時間くらいですのでものすごい集中力かその逆か?w
時間量にとらわれないようにしましょう。

●学校が練習をやらせてくれない。
私の高校も初めはNGでしたが、担任を通して校長先生に直談判して、
OKをもらいました。毎日朝5時起きで守衛さんに部室を開けてもらい、
7時から朝練をしてそして昼練をして、
さらに放課後部活の時間を23時まで延長してもらってそれを2年ぐらい
続けました。意欲と成果を残すのが人を動かす鍵です。
自分は必ず結果を出すからやらせて欲しいと校長先生に懇願してOKをもらいました。コンクールで金賞をとって成果をあげました。
意欲もないのに人は動きません。やる気があればぜひどうぞ。ただし
学校の地域や先生たちの意識によっては無理な場合があります。
例えば教育委員会がOKを出さない等。
別のやり方は、家で練習できないなら近所の人にお願いして
吹ける場所を提供してもらう。
音楽スタジオを借りて練習する。防音室を買うなどです。
カラオケや河川敷で練習するなどは雑音が多く、トラブルに巻き込まれたりするのでプロになる人にはお勧めしていません。
e-saxは低音が出ないので練習には向きません。
クラシックを目指す人はそれ以外の音楽より設備投資に力を入れる必要があります。

●防音室のサイズは?
最低1.2畳以上、防音性能は35db、40db以上は欲しいですが、部屋の状況により異なります。
防音室が狭いとエアコンが設置できずに、スポットクーラーなどが必要になりますが起動音が結構するので、広めの部屋をチョイスするのもいいと思います。
私は一軒家で40dbの防音室を使ったことがありますが、全然大丈夫でした。
メーカーはヤマハアビテックス、カワイ、個人企業など10社ほどが提供しています。

●防音室は一人で組み立てられるか?
無理です。ドアだけで30kgとかあるので、一人でやるとドアに押しつぶされるか、怪我をしますので、二人以上が必要です。ヤマハは三人以上としています。
また特殊工具を必要としますので、特殊工具を持っていないと作業すらできません。
通常は組み立て費用が必要です。
防音室の壁には鉄板が入っているから重いのです。

●家が古いけど防音室は設置できるか?
防音室は1tくらいあるので床が抜けないお家でしか使えません。
大家さんなどに確認しましょう。

●だんぼっちは使えますか?
管楽器には不向きですw

●楽器の選定は必要なの?
はい、必要です。アマゾン等で自分の楽器を安易に買ってしまわないようにしましょう。
楽器は鳴りに個体差がかなりあります。企業側は、見た目が重視ですので、
ある程度鳴っていれば個体の持つ音色まではそれほど気にしていませんので、
必ず自分が大切にしたい楽器は何本もの中から選定が必要となります。
また、塗装やレスポンス異常があるものがありますので、
それがわかる指導者に選定してもらうことが重要です。
日本では現在政令指定都市以上の都市では選定が可能な楽器店がございます。
楽器の選定ができるか、お店の方に聞いてから選定をしてください。

●昔の楽器はピッチが低い!
戦後直後のビンテージになっている楽器にはピッチが低いものがあります。
計測すると436Hzくらいです。
残念ながら、楽器や音が良くてもピッチが低すぎて演奏に向かない楽器というものがありますので
ビンテージ楽器には安易に手を出さないようにしましょう。

●Csus2とはなんですか?
Csus4はドファソ、Csus2はドレソを押さえます。

●導音はピッチを高く
フランスのクラシカルな手法ですが、
主音に導かれる導音はピッチを高めにとります。
サクソフォンの場合は通常のフィンガリングに指をプラスしてピッチを
上ずらせる手法をとります。

●倚音の音はデクレッシェンドせずにまっすぐ伸ばし、解決する音をいきなり小さく吹く。
ヨーロッパでは普通の手法ですが、日本ではやっている人とやっていない人がいます。
師事している先生によりますが、ヨーロッパに留学していた先生ならこの手法で演奏し、
生徒にもレッスンする方が多いと思われます。クラシックはヨーロッパのものなので、
ヨーロッパの手法に従う方が良いと思われます。
フレーズの最後の話ですが、Cの三和音の例えばドの音に解決するために
2度上のレの音を伸ばしているとします。
その時にレの音までクレッシェンドし、レの音はまっすぐストレートに伸ばし、ドの音に
なった瞬間小さくします。
この手法を知らない人は普通にデクレッシェンドしている人が結構います。
我々サクソフォン奏者はラクールの最初のエチュードで、この手法を叩き込まれます。
日本でずっとやってきた先生ではやっていることが違って他のことでラクールを利用する先生
が多いようです。
このやり方は倚音の時だけになります。倚音とは解決する和音から外れた音の意味ですが、
2度上の音がほとんどです。
これに合わせて、外れた音は要するにエクステンションノートになるわけで、通常ヴィブラートを
かけません。たまに逆のことをやっている人がいますが、それを間違いとみなすよりは
古いスタイルでやっていると言ったがいいかもしれません。
例えばマルセルミュール時代はどの音にもヴィブラートがかかっていました。ジャズでも
そうですね。今聞くとやたらヴィブラートが多く聞こえます。
ヴィブラートが多い奏者はスタイル的に古い感覚を大切にしているのかもしれません。
ヨーロッパの先生でも、そういう細かいことよりも表現の方を大事にする先生も
多くいらっしゃいますので、基本的に身につけるべき事柄という理解でいいと思います。

●日本の先生はカンニングブレスが多い
これもその傾向があると思います。フランスでは譜面に書いてあるフレーズよりもさらに長く
フレージングする傾向にあり、結構譜面を書き直すことが多く
カンニングブレスはもってのほかです。
そこを意識して演奏を聴いてみると結構な違いがわかると思われます。
どちらがいいですかね?スタイルの違いもあるので一概にそれでいい悪いはいえませんが、
長い方が美しいかなと自分は個人的に思います。
アジアの奏者はカンニングブレスもヴィブラートも多い!とフランスの先生が
仰ってました。

●男性終止、女性終止とは?
ヨーロッパの言語の男性名詞、女性名詞みたいな区分けですねw
何処の拍で音が終わるかで決まります。4分の4拍子では、
男性終止は1拍目3拍目、女性終止はそれ以外となります。
要するに強拍で終わるのが男性終止というわけです。
1ト2ト3ト4トのトのアップビートで終わる場合も女性終止になります。

●テンションと言わない?
海外ではカラーコードとかエクステンションコードと言います。
海外でテンションノートというと、スゴい怒られるか、
否定されますので(笑)決して言わないようにしましょうw
日本では、テンションノートは「緊張感のある音」と訳しますが、
海外でテンションノートの意味は「緊張した音」になり、意味が違ってくるからです。
海外では「色のある音」「色を付け足した音」というような解釈がされます。
それでカラーコードやエクステンションという言い方をするのです。

●男性終止と女性終止の時はフィンガリングが異なる
フランスのクラシカルな手法ですが、男性終止時は楽器のセンターの指使い。
女性終止時にはサイドキーを使います。
クロスフィンガリングよりも終止を優先し、指使いが決定されます。

●クロスフィンガリングを避ける
これもクラシカルな手法ですが、中音のシとド、ファとファ#のクロスフィンガリングを
避けたフィンガリングを用います。クロスフィンガリングは日本では交叉と言います。
クロスフィンガリングは大抵はセンターの指使いをしているので、
変え指(換え指)のサイドキーを使った
フィンガリングに変更します。フランスでは
サイドキーのフィンガリングも多用するため変え指という言い方自体を嫌います。
フランスではセンターの指使いは「I」。サイドキーは「c」という頭文字で表します。
また上記にあるように終止を優先させてクロスフィンガリングも決定していくので、
熟考する時間が必要になります。ジャズにはそこまで考えている時間がないので、あまり
積極的にはこの方法は用いていないですが、クラシックの音大を出てそのあとに
ジャズに転向した奏者などはたまにこのフィンガリングの方法を用いる奏者がたまにいます。

●クラリネットはクロスフィンガリングはどうするの
避ける傾向はありますが、楽器の構造上クロスフィンガリングをせざるを得ない状況が
多々ありますので、サクソフォンと同じようにサイドキーでクロスフィンガリングを乗り切るのは
困難です。なぜならサイドキーとのクロスフィンガリングがクラリネットの場合は多いからです。

●ラ#(シb)の指はニューヨークスタイルでは全てbisキーを用いる。
コルトレーンはサイドキーを使わずに全てbisキーを使用していました。
ニューヨークスタイルの奏者はサイドキーを使わない奏者が多く、
ロサンゼルスのスタイルはサイドキーを使う奏者が多いようです。
日本人奏者でこの事実を知ってる人はほとんどいないようです。
一般的なやり方ではないからです。
自分もニューヨークの奏者に習ってから知りました。

●ラ#(シb)の指bisの使い方について
師事した環境により十人十色ですが、フラット系の調号ではbisキーを用い、
シャープ系の調号ではサイドキーを用いて演奏するのが一般的です。
大抵はスケール練習で使い方を叩き込まれますが、
どのやり方でも、練習次第で無理なくできるようになります。ちょっと怪しい場合は、
練習で克服しましょう!

●ジャズのアンブシュアにするとジュルジュル音が聞こえる
サブトーンもそうですが、ジャズのアンブシュアはほとんど力が
入っていないので、マウスピース内にある水蒸気がジュルジュルと
音を立てるようになります。しかし、それが普通の状態です。
ですので、クラシカルなサクソフォンではそのような雑味成分を出さないために、
アンブシュアにクッションをつけて音を絞り出す感じになります。
そうすると雑味成分が消えて、倍音が減り、サイン波のようなクリーンな音になります。
ですから、サクソフォンのアンブシュアは、ジャズとクラシックでは同じにはできないのです。
いい音と思う方向性が真逆だからです。
また音量的にはジャズの奏者の方が音量は3倍近く大きな音になります。
クラシックの奏者がいくら大きな音を出してもアンブシュアのクッションで抑えているので、
ジャズの音量にはかないません。吹奏楽やオケと一緒にやると、
ジャズのサクソフォン奏者一人で、音量が勝るほどです。
ですので、一緒にやるときには音量にかなり気を使わないといけないか、
ミュートを必要とします。

●チューニング時ネックコルクは1cm見えるようにする
間違いです。昔のテキストにそうするように書いているものがありますが、
間違いです!!初級者のマウスピース練習のように意味がありません。
まずはアンブシュアが脱力できていい音が出る方が肝心です。
逆にならないように気をつけましょう。
セルマーの最近の楽器では、シリーズ2あたりからマウスピースをつけて
ネックコルクが見える部分は少ない傾向になっています。
ジャズでは顕著でネックコルクは5mmくらいしか見えません。
冬場はさらに顕著でちょうどコルクが見えないぐらいになります。
クラシックでは唇のクッションでピッチが上ずりますが、それでも2,3mm程度の違いです。
1cmも必要ありません。(もしくは1cm見えるぐらい、環境やセッティングによります)
またオールド楽器のネックコルクは長めに巻かれている場合がありますので、
同じように考えないように気をつけてください。

●楽器の小さな部品が取れたら接着剤を使う
小さなコルクやフェルトが取れたらリペアマンに任せた方がいいのはいうまでも
ありませんが、あえていうと瞬間接着剤は使うことは稀です。
サクソフォンには全く使用する必要がありません。
リペアマンはG17という専用のボンドを大部分に使いコルクやフェルトをつけています。
それ以外のものを使うと塗装が剥げたり楽器を痛めるので使用しません。
ですので、瞬間接着剤を使うのだけは絶対にやめてください。取れなくなります。

●ラッカーを長持ちさせるには
砂埃や油がいけません。指の油、キーオイルの油など。
油をクロスで念入りに掃除しましょう。油が残っているとラッカーに油が浸透し、そこから
ハゲて変色していきます。
他は磨き過ぎも注意です。高校生の時、おニューの100万ぐらいの楽器を学校から買ってもらって、
ゴシゴシ磨いている先輩がいました。しかし、半年経った頃、ラッカーがペリペリ剥がれ初め
半分ぐらいラッカーが落ちた楽器になってしまいました。度を過ぎない程度にしましょうw
ポリッシュは研磨剤が入っているので、月1くらいにしましょう。

●ラッカーを剥ぎたい
音色は確かに思うような音色に近づきますが、完全には近づきません。
ラッカーやメッキがない方がソバで音が聞こえるので太く聞こえます。
鳴らし易くはなります。
伝導率の良い素材になる程音が遠くに飛ぶため、
音が小さく聞こえますが、聞いている人にとってはあまり変化がありません。
楽器自体を痛めつけますので剥ぐのはあまりオススメしません。

●選定とは
選定する楽器店に依頼して、同じ機種や品番のものを多く準備してもらって、その中から
一番良いものを選定します。楽器店には購入意思がない人には選定準備していただけないため、
ある程度選定してもらう側に購入意識がある人向けのやり方となります。
ですので、ただ見るだけは選定とは言いません。
楽器を始めてない方は、自分で観に行って店員に色々と質問することをお勧めします。
その場合店が売りにしている楽器を勧められるので、勢い余って買わないように注意しましょう。
選定作業ではなく私が付き添う場合は1時間5000円で付き添います。

●サクソフォンの本場は?
クラシックではフランス。ジャズではアメリカです。
ヨーロッパは国によって奏法の手法が結構違うので、ちゃんと調べる必要があります。
ドイツはクラシックは現代音楽が結構盛んですので、どういう音楽をやりたいのかを
調べてやりたい音楽を学べる地域に行かないとトンデモナイことになりますw
(ドイツはクラブミュージックのトランス音楽もかなり盛んです。)
ジャズはアメリカですが、最先端のジャズはニューヨーク。ファンキーなジャズは
ロサンゼルス。スイングジャズはニューオリンズといったように風土との兼ね合いがあります。
ジャズサックスのとある漫画でドイツに主人公が行って活躍するシーンがありますが、
ドイツはジャズもフリーや前衛的なジャズが盛んですので、普通のバッパーが行っても活躍できない
可能性があるので方向性が違う人は行くのはやめておいたがいいと思います。

●音大はアルト
クラシックの音大ではアルトが標準となっておりアルトで受験します。
テナーやソプラノでは受験できません。
ジャズの音大では自分の好きな楽器で受験可能です。
確かにアルトが基本となっており、バランスが良いです。

●初心者はソプラノは癖をつけやすい
初心者はアルトかテナーをオススメします。
なぜなら、サクソフォンの高音域は、矯正倍音を使用しないと
高音域が出せないからです。
音大に行っていない学生さんは矯正倍音を知らないため、
噛んで高音を出してしまいます。
それはプロの奏法ではありませんので、
音をよくしたいのであれば、矯正倍音について知識のある奏者に
レッスンを受ける必要があります。
またソプラノの高音域はハイトーン音域と同じような矯正倍音を用います。
ですので、初級者にはソプラノは吹きにくく、癖をつけやすいので
避けた方が無難です。

●強制倍音?
違います。「矯正倍音」です。
喉で音を矯正して出すことを意味しています。
たまに間違って強制倍音と表記している
教則本があるので、注意が必要です。

●スケール練習(音階練習)はなんのためにやるのですか?
全音域をフラットに奏することができるようになるためです。スケールがデコボコしていると、
流れるようなフレージングに繋がりません。ですので、フラットにすることで、
音色、ダイナミクス、音の密度などを揃えれるようになります。
スケールが上手な人はスケールだけで人を唸らせることができます。
そこまでできれば本物です。
低音の方が重心が低いので重くなり、高音は軽くなります。ですので高音をやたら大きく奏すのは
理にかなってません。

●良い演奏とは
奏法的なものに限定すると、
まずは幼い演奏にならないことです。例えば、幼稚園生が歌を歌っているのを想像してください。
幼稚になる原因としては、フレーズが短い、語尾が短い、フレーズが凸凹、声を張り上げる、
または歌えない、ブレスが多すぎるなどの点が想像できます。
簡単に言うとそれらの原因と真逆のことをしてやることが音楽的に良い演奏になるわけです。
考えてみると単純ですよね。大人な演奏ですね。
それとは逆に現代芸術などは幼児性を出すものもあります。学問に影響を受けない素の
状態を表現している芸術です。偶然性や単純化したものを追求するとそうなりますが、
レッスンでは一般的にそのようなことはやりません。
普通を学べばそれは自ずとできるようになるからです。

●ブレス記号
日本では五線の上に「v」でブレスを表記していますが、
日本の文部省(現 文部科学省)の間違いです。
実際はフレージングの記号になります。
本当のブレス記号は五線の上に「,」が本当です。
これは日本政府が西洋音楽を輸入した時に、
フレージング記号とブレス記号がだいたい同じ位置にあるので、
間違ってブレス記号としてしまったことにあります。
ですので、ヨーロッパではコンマをブレス記号として使うようにしないと
また怒られますので注意してください(笑)
「新しい」もあらたしいと本来言いますが、文部省があたらしいと表記してしまったために、
あたらしいになってしまった漢字もあります。
間違いは存在するのですw